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高圧力下におけるドレンやボイラー缶水がその圧力よりも低い所へ放出されると、ドレンの一部が再蒸発してフラッシュスチームの飽和ドレンになります。
この現状をフラッシュ現象といいます。
フラッシュ前後の熱勘定は変わらず、フラッシュスチームは同一圧力の飽和蒸気と同一の熱量を有していますから、適切な大きさのフラッシュタンクを設置してフラッシュスチームを再利用すれば省エネルギーとなり、燃料費の節約となります。このフラッシュスチームの熱量を暖房・水の加熱・ボイラー水や重油の予熱等の低圧ラインとして使用します。
フラッシュスチームを効果的に利用するためには、フラッシュタンクを正しく設計し、フラッシュスチームをうまく発生させなければなりません。フラッシュタンク内の蒸気流速が1.0〜4.0m/S程度になるようにタンクの径を設計するのが一般的です。参考としてフラッシュタンク内径基準図を参照下さい。
代表的な配管例として、フラッシュタンクの配管例に示すように低圧ラインに減圧弁にて蒸気を補うシステムにするのが一般的です。
■トラップの選定

安全係数
通常3で取ります。
  フラッシュスチームの発生量
   
   
g :飽和1kgあたりのフラッシュスチーム率 (%)
h'1,h'2 :それぞれの圧力下での潜熱 (kJ/kg)
r2 :フラッシュ後の水の蒸発潜熱 (kJ/kg)
   
[ 例 ]
0.8MPaのドレンが大気圧下に放出した時のフラッシュ率は、
   
    即ち大気に放出されたドレンは、140%がフラッシュスチームとして再蒸発します。ドレンのフラッシュ率(下図)は種々の条件でのフラッシュスチーム率を示したものです。

トラップ型式
フラッシュタンクに用いられるトラップは、蒸気損失が少なく、背圧に対する許容性が高い上、エアー等の気体を飽和蒸気温度で排出できること。
このことによりラージベント付逆バケット式トラップが最適です。場合によっては大量のエアーを処理できるサーモスタチック付フロート式を適します。
始動時に大量のエアーを排出できる機構となっているからです。
  ドレンのフラッシュ率
   
   
 
 
  チェックポイント
 
対象機器 フラッシュタンク
安全係数 3
最適型式 逆バケット式(ラージベント付)
880シリーズ
代替型式 フロート式【TF-6シリーズJシリーズ
■フラッシュタンクの設計
  フラッシュタンクは通常大口径のパイプの上下端に盲フランジを取付けた型で作られます。
(1) フラッシュスチームの出口を上面に、タンクからのドレン排出口を下部に設けます。ドレン回収管は上記ドレン排出口よりも150〜200mm上に設けて下さい。
  (2) フラッシュタンクの内径
フラッシュタンク内でのフラッシュスチームが上向きに流れる時の速度を十分に低くおさえて気水分離を行なう必要があります。
タンクの高さは重要ではなく、高さは通常は600〜1000mmにします。フラッシュタンク内の蒸気流速を1.0〜4.0m/S程度にすれば最良の気水分離が行え、湿り度の少ない蒸気が得られます。
右図にフラッシュタンクの内径基準図を示します。これはフラッシュスチームの流速を3m/sにして計算したタンクの最小内径を求めることができます。
内径基準図は蒸気圧力を考慮せず、フラッシュスチームの重量のみを考慮しています。蒸気は圧力が高くなる程比容積が小さくなりますから蒸気の上昇速度は遅くなりますが、それはわずかなことですから
圧力に関係なく内径基準図を使用してタンクの内径を求めることができます。

取付方法
    (1) ドレン回収管の中はフラッシュスチームとドレンが流れます。各々の蒸気機器から排出されたフラッシュスチームとドレンは、リターンヘッダーに一度集められたのちフラッシュタンクに送られてきます。
フラッシュタンクに送られた各々は、フラッシュタンクから再び使用されるフラッシュスチームの圧力に見合ったドレンとフラッシュスチームに分離され、使用されます。
  (2) フラッシュタンクの設置によりドレン回収管内に圧力が生じるため、各蒸気機器に取付けたトラップにとってはその圧力が背圧として作用いたします。従ってフラッシュタンクを設置してドレン回収を行う場合には、各々の蒸気機器に取付けられるトラップは背圧に対して許容性が大きく、低圧においても十分な排出量をもつものを取付けてください。
    (3) ドレン回収管は下り勾配にて配管をし、ドレンがフラッシュタンクに重力にて流入するように施行して下さい。
ドレンのリターンヘッダーを設けず複数のドレン管を接続する場合には、使用しない機器に逆流の防止をし、ドレン回収を有効にするためチェッキ弁を取付けて下さい。
    (4) フラッシュタンクお設置場所は、ドレン発生量が最も多い機器に近接して設置して下さい。
    (5) ドレン回収管、フラッシュタンク、低圧蒸気ラインには保温材にて保温をし、放熱ロスを防止して下さい。
    (6) タンクの入口側配管には、スプレーノズルを取付けないで下さい。もしノズルに詰まりが生じた時、ドレンの流れ止まり、タンクへ流入される蒸気機器が機能を停止させることにもないかねません。
    (7) フラッシュスチームを利用する低圧ラインの蒸気機器には、必ず個別にトラップを取付けて下さい。そしてさらに低圧ラインのドレン回収管へ排出できるようにして下さい。
    (8) フラッシュタンクの上部にはベローズ式の空気抜弁を取付け下さい。ドレン回収管には大量のエアー等が混入してきます。これを処理するため、右図に示すように配管して下さい。

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